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【 2024/04/20 10:50 】
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大江健三郎さんの書いたものはとても難解だ、ということをよく目にします。

-実際、私自身も、一冊読み終えるのにすごく時間がかかり、
何回もくり返して読んでみて、
これはこういうことだったのか!とわかったり、気がついたりします。-
しかし、
この本は初めて子供に向けて書かれた本ということで、
読みやすい文章、本に仕上げられています。
(とはいっても、私は読了するのに時間がかかりましたが、、、)

2011092401.jpg

『「自分の木」の下で』
著者 大江健三郎

本のなかで、
大江さんは「elaboration(エラボレーション)」
この言葉が好きだと書いています。

エラボレーションとは、
みがきあげてゆく、しっかりしたものに丹念に作りあげてゆく、
ということです。

「添削」や「推敲」という言葉ではなくて、
「エラボレーション」だ!!と。

大江さんの考えを、この本から引用します。

《エラボレーションだと、相手と同じ場所に立って、一緒に文章をみがき、
相手と自分とを人間として少しずつでも高めていっている、その印象があるからです。》

なんてすばらしい言葉なんだ!!
なんてすばらしい考えなんだ!!
と思い、そのことを知って以来、私もとても好きな言葉になりました。
そして、
エラボレーションを実践している大江さんの著作が大好きです。

いつも思いますが、この本もすごくよかったです。
(*^u^*)ノ゛

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『「自分の木」の下で』大江健三郎 著

(出版社 / 著者からの内容紹介)

なぜ子供は学校に行かなくてはいけない? 
子供たちの素朴な疑問に、ノーベル賞作家がやさしく、深く、思い出もこめて答える。
17のメッセージと32点のカラーイラストが響きあう、心にとどまる感動のエッセイ。
文庫版に書き下ろしエッセイを付す。

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私も、
作品を創作するときだけではなくて、
日々におけるいろんな場面でも、
自分の考えなどを、
エラボレートしていけたらいい!!エラボレートしていこう!!
と、こころに決めたのでした。
(って、もう何年も前のことですが。。。( ̄~ ̄;))

今日もブログを読んでくれてありがとう。

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【 2011/09/25 00:33 】
CATEGORY [ 大江健三郎さん ] COMMENT [ 3 ] TRACKBACK [ ]
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7月3日にNHKで放送されていた、
『大江健三郎 大石又七 核をめぐる対話』
を視ました。

大石又七さんは、第五福竜丸の元乗組員です。
ビキニ環礁の事件で放射能を浴び、
身体にとても大きな影響-特にガン-を受けてしまいました。

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放射能、あるいは核兵器の怖さが、
半世紀も前に、知れ渡らなければいけなかった。
隠して押さえ込んでしまった結果、
同じように苦しまなければならなくなった。

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と、大石又七さんは語っています。


また、
チェルノブイリで原子力発電所の事故が起こってしまった後、
大江健三郎さんが、-大江さんは私の一番好きな作家さんです-
ウラジーミル・グーバレフさんと対談したときに、
こう言っています。

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原子力エネルギーというものに人類が頼らなければならないのは、
今までのところは本当だろう。
原子力に変わる、どういう代替があるだろうか?どういう代替をできる源があるか?
私が原子力発電すべてに対して全面的な否定をすることはできない、
(本当はそれを望むけれども)
代替案を答えることはできないから根拠は薄弱です。

しかし、原子力発電所からの核廃棄物を、
なんとか安全に処理できるそういう知恵を人類が発見するまでは、
原子力発電所を凍結したらどうだろうか!動かすことをやめたらどうだろうか!
という意見です。
私などのように、専門的なものに対して無知なもの、
何も知らない人間から言いますと、妥当な意見だと思われます。

そういうときは、根本的に自分は数多くの人間を殺していいのか、
ということを考えるのが一番中心だろうと思うのです。

本当に自分でよくはっきりとわかっていないこと、
危険があるとわかっているときに人間はその道を選択してはいけない。

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ずっと前から大江さんは、
原子力発電所をなくしてしまった方がいいと、
メッセージをだしつづけてきました。

私も、この意見に賛同します。
(15年あまり、大江健三郎さんの本を読んできて、
今更、自分の思いを表明するのは少し遅い気もしますが、、、)

福島の原発事故は本当にかなしいできごとです。
もう2度とこのようなことがあってはならない!
この番組を視てあらためて、そう感じました。

今日もブログを読んでくれてありがとう。
 
【 2011/07/13 14:02 】
CATEGORY [ 大江健三郎さん ] COMMENT [ 1 ] TRACKBACK [ ]
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